ルート営業スタイルの先行管理とはどのようにして実施するのでしょうか?
ルート営業では多くの得意先を営業が担当しますが、売上の大きい上位10社で80%近い売上になるケースも多くあります。そのため、営業担当は上位10社を「主要先」、それ以外を「その他」とし、昨年実績や最近の案件状況を考慮し今期の月次で「見込売上」と「見込粗利」を設定します。
「予算」は営業担当ごとに期初に月次で「予算売上」「予算粗利」を設定します。この「予算」に対し「見込」の合計では足りない分を「新規案件」でカバーし、「予算」達成を目指します。
もちろん、「見込」を予定通り受注することが大切です。
担当営業は「先行管理」で今期の自分の実績を見て、今月まで「予算」を達成しているか、予算に近いか、予算にかなり足りないかを見ます。
また、今期の締めまでに「予算」を「達成」しそうか、「未達」かを先行管理で確認し、「達成」しそうであれば「現行の案件」のクロージングに尽力し、「未達」になりそうな場合は「新規案件」の発掘に時間を掛けます。
「先行管理」を行うことで、今期の自分が「予算」を達成しそうか、難しそうかが視覚化できるようになり、営業活動を効果的に行えるようになります。
■「先行管理」の基本のデータ相関図

■「先行管理」の実現方法
1.取引先で「主要」を設定
(1)取引先に「私の主要と親取引先の指定」ビューを用意し、前期や前々期の実績を降順ソートし今期の「主要」を指定します。
(2)取引先によっては同一企業で複数の口座をもつケースもあるので、その場合は複数の口座先も「主要」とし、メインの取引先を「親取引先」に指定します。
そのことで、同一企業で複数の口座に「主要略名」がセットされます。
(3)「主要」が付いていない取引先には自動で「主要略名」に「■〇〇・その他」をセットされます。 「〇〇」は営業担当の「別名」です。
2.案件に基幹の実績を反映
(1)「取引先売上」に取引先毎の月次で「昨年売上」「今年売上」「昨年粗利」「今年粗利」を連携します。基幹連携でシステム対応する場合と、基幹からCSVを書き出し、日々手動で取り込む方法があります。
(2)「取引先売上」に取り込まれた基幹の実績を夜間バッチで「案件」の「集計用」レコードタイプに取り込みます。
(3)このことで、昨日までの実績を案件で確認することができます。
3.案件で予算と見込を設定
(1)「案件」には「集計用」と「個別案件」のレコードタイプを用意します。
(2)「集計用」には「昨年売上」「予算売上」「見込売上」「今年売上」と同粗利が自動でセットされます。
(3)「個別案件」には「案件名」「商品分類」「売上(予定)日」「金額」「粗利」「受注見込」があります。
(4)「受注見込」は「A.受注100%」「B.見込90%」「C.見込50%」「D.見込25%」「E.中止」「F.失注」の選択肢があります。初期値は「D.見込25%」で4件案件があれば1件受注できそうとします。
(5)「売上見通し額」は「金額」×「見込率」を自動セットします。
4.先行管理のイメージ

(1)上図では「⑫予算実績差額」は32,850千円ありますが、「⑬予算見通し差額」は4,078千円となり、今の「個別案件」を確度通り受注すれば、あと4,078千円で予算を達成できそうであることが分かります。
(2)「⑬予算見通し差額」の金額がプラスになれば、現行の「個別案件」のクロージングを優先し、金額がマイナスならば新規案件の発掘を優先することになります。
今期の「⑬予算見通し差額」を視覚化することで先の見通しができ、今期の予算達成見通しを早めに実現し、来期以降の種まきを実施できると、お客様の業績に左右されず安定的に予算を達成する営業となれます。
以上
